生きています。

東北関東大震災の時、私は埼玉で車を運転していました。
駐車場に止めた車が揺れていて、風かと思ったら他の家々から人が沢山出てきて、みんなで空を見上げました。
母親から電話があり、声は震えていました。
直後に連絡は途絶え、それから数時間、電話は全く繋がりませんでした。


地震に『直面』するのは、これが初めてです。
阪神大震災の時、自分はテレビの中の出来事を別世界のように感じていました。
被災しなかった場所でたまたま生きていただけで、恐怖も苦悩も悲しみも味わいませんでした。
ただ、今回も私は一番大変な場所では苦しんでいません。


私はこの地震で何も失っていない部外者です。
そして、この地震に対して何もできない無力な素人です。
ただの「被災していない人」です。
被災していない人間に被災者の気持ちが分かるわけがないのです。
(今村岳司さんのブログより)

これを読むと、自分はどうして良いのか分からなくなります。
気持ちを共有したいと思う気持ちと、何かしなくてはと思う気持ちが宙ぶらりんになります。
いっそのこと自分も被災していれば、という愚考すら浮かびます。
テレビの中の出来事は、この歳になってやっと現実なのだと分かりました。
同じ日本の出来事で、車を使えば半日もかからず行ける場所なのだと。
そして、別世界って言葉は悲しくて残酷な言葉だったのですね。


自分には何も出来ません。
何も出来ない自分は、とりあえず情報を集めて考えて悩もうと思います。
食料も懐中電灯も別にいらないです。
日本の未来については偉い人が考えてくれますが、私は私で考えて悩みます。
凹んだり病んだりするかもしれませんが、それが『直面』という事なのかと思います。


世界中の皆様、何も出来なくてごめんなさい。
身近な所にもごめんなさい。
無力な私でごめんなさい。

思い出の品、弓ヶ浜の砂と貝殻、そしてシーグラスで作りました。
ちょっとだけお洒落になった時計。

写真立ても。